「ウサギの島」として知られる広島県竹原市の大久野島で、昨年11月から今年1月にかけて77匹のウサギの死骸が見つかっていたことがわかった。環境省が20日発表した。死因については「現時点では明らかではない」としている。
中国四国地方環境事務所によると、瀬戸内海国立公園の大久野島には、数百匹のウサギが半野生化した状態で生息している。島内では昨年11月26、28日に13匹、同12月17、18日に19匹、今年1月9～12日に45匹のウサギの死骸が確認された。
死因について「感染症や冷え込みによる衰弱、人為的なものなどが考えられるが、現時点では明らかではない」と説明。獣医師などと相談して原因究明を進めるとともに、監視を強化するという。
島内のウサギをめぐっては、広島県警が22日、ウサギを蹴った疑いがあるとして、大津市の会社員の男（25）を動物愛護法違反の疑いで現行犯逮捕したと発表した。竹原署によると、男が取り押さえられた現場近くでウサギが1匹死んでいたという。
大久野島は瀬戸内海に浮かぶ周囲約4キロの小島で、かつて旧日本軍の毒ガス工場があったことでも知られる。
